株価が下落した時に売ってはダメです!
◆株が大きく下落!
アメリカの金融政策の変更、つまり金利の上昇が見込まれるため、年初から株式相場は下落しています。
更に、ロシアとウクライナの戦争が勃発し更に株式は下落しています。
ロシアからの原油や天然ガスなどの資源が止まると、益々インフレになるのではないか
そうすると、アメリカのFRBは金利の引き上げ回数を増やすのではないか
そうした憶測により、まだまだ株式相場は下がりそうだからここで一旦保有している株は売っておこう
と考える人も少ないと思います。
でも、売らずに次の上昇を待つことをお勧めします。
その理由は、「敗者のゲーム」の著者チャールズ・エリス氏によると、1980年から2016年までの
36年間の間、相場が上がったベストの30日を逃した場合は、何とリターンの平均水準は
年率11.4%から6.4%に低下するとあります。その差は、5%にもなります。
◆持ち続ける方が5%もリターンが高い!
上がった時のベストの30日を逃すとは、大きく上昇した日に株式を保有していないという意味です。
下記は、日経平均株価の上昇率ベスト10です。
順位 | |||
1 | 2008.10.14 | 9,447 | 14.15% |
2 | 1990.10.02 | 22,898 | 13.24% |
3 | 1949.12.15 | 109 | 11.29% |
4 | 2008.10.30 | 9,029 | 9.96% |
5 | 1987.10.21 | 23,947 | 9.30% |
6 | 2020.03.25 | 19,546 | 8.04% |
7 | 1997.11.17 | 16,283 | 7.96% |
8 | 1994.01.31 | 20,229 | 7.84% |
9 | 2008.10.29 | 8,211 | 7.74% |
10 | 2015.09.09 | 18,770 | 7.71% |
1日に7%以上も上昇する日はそんなに多くありません。しかし、その時に株を保有していないと、この上昇の利益
を得ることができません。この本の著者は、上昇したベスト10の日を逃すと、先程の同期間の上昇率は9.2%
になる、ベスト20日を逃すと7.7%になると分析しています。
エリス氏は、株式投資家が一旦株式を手放して市場から出て行ってしまうと「稲妻が輝く瞬間」を逃すと形容しています。
株価が天井を付けた後に売って、底値になったら買おうと思うのが投資家の心理ですが、そんなに上手にタイミングよく
売買できることはありません。バイ・アンド・ホールド、鵜たり買ったりを頻繁に繰り返すのではなく、継続して保有す
ることが、結果的に大きなリターンを得ることができます。(ただし、銘柄選択が重要になります。)
日経ヴェリタス2022年2月27日号より